3つ目の奇跡
バスの中でその日に買った物を忘れたけど、運良く翌日に取り戻すことができた1つ目の奇跡(というよりラッキーだった おばちゃん有難う) そして、ハラハラしながらTerm2の経過を待っていて自分が想像していた以上の結果だった2つ目の奇跡(あの日Kateと喋った時声が裏返っていたのが今でも覚えている)。 そして今回やっと3つ目。随分日にちが開いてしまったけどやっとすべてが解決したのでここに残したいと思う。
何が起こったのか一言で言うと去年納屋に泥棒が入り自分のハンググライダーの道具がごっそり盗まれたって事。そしてそれが無事帰ってきた事。
今はもう日付は覚えていないけど11月のある日 自分が早朝 コーヒーを入れようとキッチンに下りて来たらキッチンの窓からどこかで見たことがあるバックと旅行用スーツケースが駐車場の壁に横たわってた。
最初、その黄色のバッグが自分のハングのハーネスバック(ハンググライダーで飛ぶのに必要な道具がすべて入った大型のバック)とは気づかず、誰かが車に載せる前に荷物を壁に横たわらせてるだけだと思っていた。けどいつも通りペーパーフィルターでコーヒーを入れて待っている間 「ジー」っとそっちの方向を見つめているとどう考えてもあのバッグは自分のウデッィバレーのハーネスバックに違いないと思い確かめる事に。
階段を下りて駐車場の方に向かうとなぜか自分の自転車が丁寧に納屋から出されていた。その時自分は誰かが納屋の中から荷物を出すために自分の自転車を一時的に外に出したんだと思い、何も考えずハーネスバックが見える場所まで向かった。
駐車場の入り口にあったのはやっぱり自分のハーネスバック あと見たことがない旅行用の大型スーツケース。この時自分のは頭はかなり「???」って感じで最初は誰か同じ家に住んでる人間のいたずらか何かと思った。だって仮に泥棒が入っていたとしても盗まないで中途半端に自転車を駐輪した状態で置いたり(駐輪するためのフックがちゃんと起こされてた)、バックを入り口に残していったりしないと思ったから。
それに納屋にはそもそも貴重品などは置かないという認識があったから泥棒が入ると対象になんかならない思った。
が、しかし 納屋を扉を開けてみるといつもみたいにスーツケースの山済み状態ではなく無残にすべてのケースというケースが中を開けられ その中に入っていたと思われる物が散乱していた。ホント「こんなとこ泥棒入ってどうすんの?」って感じが自分の最初の印象だった。どうやって入ったのかと思って扉を見てみる南京錠をかけるためのプレー自身が引っこ抜かれ南京錠は地面に落ちていた。
とりあえずみんなに知らせようと、まず下の階に住んでる人の玄関のベルを鳴らす。中から眠そうな顔で同じビジネスを勉強してる中国人の子が出てきたが、状況説明しても「?」って感じで実際壊された鍵を見せるまでピンとこなかったようだった。。しかし彼らは納屋に何も入れてなかったから実質的な被害はなかった模様。
次に、ケント やっぱ朝早かったからか(それでも9時回ってたと思う)眠そうな顔ででてきたが、泥棒が入ったと説明すると慌てて納屋に向かい 駐車場に自分のハーネスバックの横にあったのが彼のスーツケースだと分かった。 それももう1つあったハズなのにそれはどこを探してもなかったし残ったスーツケースの中身も荒らされておりいくつか物が無くなっていたらしい。
自分はというとハングの道具なんて誰も取らないだろうと高をくくっていたがハーネス本体以外のフライト電子機器をはじめ、無線、ヘルメット、手袋が盗まれていた。それらの道具は昔姉に作ってもらったお手製のドラえもんバックに入っていたんだけど泥棒さんもそれごとは盗まずわざわざドラえもんバックだけは置いていってくれた模様。
いくつかの道具は知り合いが安く譲ってもらったり、手袋にいたってはインストラターがヨーロッパに行く時の餞別の1つとしてもらったものなので正直かなりショックだった。
そして(2004年4月)今回警察からその泥棒が捕まり、そして犯人の家から盗まれたと思われる品が押収できたと連絡があった。 やはり泥棒に入った動機はドラックでウチ以外にも数件家に強盗をしていたらしい、問題は彼の家とウチの家か道1つを挟んだ場所にあり歩いていけば5分も掛からないところにあったからだ。 当然他の被害にあった家も近辺にあるらしい。
とりあえず連絡が来たのでOxfordの中心にある警察署に行って状況を説明する。すでに写真付きの盗品リストがちゃんと作成されていたみたいで、とりあえず口頭で何が盗まれたかを伝え警察官がそのリストをチェックしていく段取りだった。幸いと言うか今回自分が盗まれた物がすべてハング関係の特殊な道具だったので比較的簡単に警察の方も見つけることができたみたいだし、すべての道具が売られる(てかやっぱり売れなかったらしい)こともなく手元に戻ることになった。
しかし、1回目に警察所に訪れた時にすぐに手渡してくれるわけではなく、調書みたいなのをとる必要があるらしく、また警察から連絡するからそれまで待ってくれと言われた。
で、結局待ったのが1週間以上。こっちはできたらTerm3の授業が始まる前にしてほしかったのに調書で呼ばれたのがWeek1の月曜日。 それも事前に電話で9時は授業中だから行けないから12時以降にしてくれと伝えたのにちゃっかり9時に自宅に来てたり・・・ しかも次は自宅まで行って調書は作らず署で作るって勝手に決めちゃうし。
Week1の月曜日の授業後 Cityに行く用事もあったので途中 携帯に電話してみたら今からでも会えるということで調書を作ることに。
今まで電話で話していた人を今回初めて会ったんだけど、自分の前に現れた人は普通の制服を着た警察官ではなく普通にワイシャツとネクタイとブリーフケースを持っている初老のビジネスマン風のイギリス人だった。
前述のとおり、実は自分が第一発見者だったわけで色々細かい事まで聞かれた。(けど上で書いたのとほとんど変らないけど・・・)
調書と言っても自分はただ単に質問に答えてるだけで、その初老の紳士がひたすら自分の答えを文書に書いていた(しかも手書きで、えらくアナログだ)。 犯人の名前はケビンバーバで年齢は20代だそうな。 警察側はこれから彼を裁判に掛けるらしく自分とケントの調書も参考に使われるそうな。 しかも何故かは聞かなかったが二人を裁判に呼ぶかもしれないとも言われた。 少し好奇心がくすぐられてしまった。(本当は少しどころじゃないが)また、警察の方から盗まれた品=証拠品を裁判が終わるまで売ったり、捨てたりしないように言われた。
すべての調書が終わった後、再び盗品の確認になるわけだけど今回は以前のリストを指さして「これが自分のです」って感じではなくどことなく取調べ感が感じられた。(なんかちょっと意地悪な質問をされたり)
戻ってきたハングの道具は結構汚れていたけど、無線もバリオメーターもちゃんと動くようで唯一の実質的な被害は自分のフライトノートのみ。ハングはまたイチから出直すつもりなのでまた作ればいいかぁ。
以上、よくまぁ短期間で色々なことが起きるなぁ自分でも関心してしまう奇跡シリーズでした。
最後に治安と家の話を少しするとイギリスにいる限り やはり自分はイギリスに住んでるという自覚が一番大切だと思います。 ひょっとしたらイギリスでも日本並みに治安がいいところもあるかもしれません(例えば以前、自分がスコットランで釣りに行った時に止まったB&Bの周辺とか)
しかしながら、特に留学生が住む場所はどうしても人が多いところに限定されてしまう傾向があるので(大学の周辺や寮)やはりそれを狙った犯罪多発するのも事実です。
特に寮では、当然入り口では不審者が入らないように一応はゲートを設けセキュリティが立ってるわけですが、それでも全員に学生証の提示を求めるわけでもなく、たまに怪しい人が出入りしてるのも見かけます。 また清掃に入っている人自体が事件の犯人だったと言うこともあり油断はできません。
そのため、「大学の寮=大学に管理されている場所=安全」 と図式は基本的には成り立たないと思ったほうがいいと思います。 特に日本での留学斡旋業者では安全を売りにして寮に入れたがる傾向があるみたいですが、一時しのぎとして寮はとても便利ですが、学部留学等で長期間滞在する場合は可能であれば自分で安全に地域にある(ここがポイント)家を探すのがいいと思います。 なので初めてイギリスに来てとりあえず寮で住んでみるという人には最初から半年契約とか結ばず、できるだけ短い契約を結ぶのをオススメします。
しかし、結局のところ最後に大事なのは自己管理です。